2016.034
渋谷川 ~過去・現在・未来~
渋谷を訪れるとすぐに驚くのは、昔の面影はなくガラッと変わった風景ではないでしょうか?
現在渋谷駅周辺は再開発が行われており、2026年の整備完了を目途に掲げた大プロジェクトが進行しています!
この大都会渋谷に、実は川が流れているのはご存知ですか?渋谷駅地下には川が流れており、現在移設工事が進んでいます。
渋谷川は、元々新宿御苑に水源を持っており、渋谷区・港区内を通って東京湾に流れ込む全長10㎞の川でした。かつて渋谷川に流れ込んでいた支川は、唱歌「春の小川」のモデルとも言われています。昔音楽の時間に、春の小川を歌ったのを思い出しました。
♪春の小川は、さらさら行くよ。
岸のすみれや、れんげの花に~...♪
渋谷駅付近の川(大正10年頃)渋谷区HPより
戦前から水害対策、下水道整備などの理由で、渋谷川支流の小河川については、埋立や暗渠化が行われていましたが、部分的なものに留まっていました。
戦後は渋谷川は宮益橋より上流の区域を暗渠化して下水道幹線として使用することが決まりました。
また東京オリンピックの開催に向けて、公共下水道の普及が必要となったこともあり、昭和39年には、下水道「千駄ヶ谷幹線」として整備されました。昭和40年代初頭までには、渋谷川上流と支流のほとんどが地表から姿を消すこととなりました。
宮益橋(現みずほ銀行渋谷支店の脇) 渋谷区HPより
現在は渋谷駅東口の地下を渋谷川が流れていますが、その面影はありません。度重なる洪水被害を起こしてきた渋谷川は、河川の大規模な改修工事が必要となりました。
現在渋谷駅の地下を流れているこの川を移設する工事が進行中です。
画像提供(下段):渋谷駅街区土地区画整理事業共同施工者より
移設工事が必要な理由とは?
それは、東急東横線、東京メトロ、副都心線、JR線などの乗り換え環境改善、安全性向上などを目的として、東口地下へ1600平米の広場を設けるためなんです。
完成は2019年度の予定!
画像提供:渋谷駅街区土地区画整理事業共同施工者
2017年には、「渋谷川賑わい広場」および「渋谷川沿いと緑の遊歩道」として大きく生まれ変わります。
渋谷川賑わい広場
渋谷川沿いと緑の遊歩道
東急電鉄公式サイトより
渋谷川はこうした自然のオアシスを人々に提供するだけでなく、"地下貯蔵槽"の機能も果たすんです!
その場所は、東口のロータリー付近の地下です。深さ25メートルほどの掘削作業を行ったところに、鉄筋コンクリートの貯蔵槽を埋め込み、一時的にプール。貯水量はなんと4000トン!
これによって処理できる雨量が25ミリメートルほど上昇するといいます。
歴史ある渋谷川の今後の変化にまだまだ注目していきたいです。
★☆N.Yorker☆★