2017.072
★お稲荷さんと大鳥居★
みなさま梅雨真っ只中のこの季節、いかがお過ごしでしょうか。
7月に入ったとはいえ、夏真っ盛りまであともう少しの辛抱ですね。
それまで健康には十分気をつけて、楽しみに真夏を迎えたいですね。
さて今日は、梅雨の合間に是非お出かけして頂きたい、
京急空港線沿線ある有名な散策スポットをご紹介いたします。
京急蒲田駅から空港線に乗って3つ目の駅が、穴守稲荷駅です。
移動時間は約4分。
駅名の通り、この駅の近くに穴守稲荷神社という由緒正しい神社があります。
建立は1818年。洪水から近隣一帯を守るために祀られました。
駅前の通りを左に曲がってまもなく参道の入り口があります。
祭神は豊受姫命。五穀豊穣・商売繁盛のご利益があります。
どうやら勝負のご利益もあるようなので
大勝負の前にはぜひとも参拝したいですね!
現在の京急空港線は、本来蒲田から穴守稲荷神社への参拝用の電車として誕生しました。
かつて、この神社の周辺は門前町として大変栄えていたようです。
近所の方々でしょうか、今日も熱心にお参りされる人が数多く見受けられましたよ。
やっぱりお稲荷さんと言えばこれですよね!
狛犬の代わりに狐の親子がおられました。
そして穴守稲荷の駅のひとつ隣には、天空橋という駅があります。
羽田近辺らしい、かっこいい駅名ですよね。
この駅の近くにも、ぜひ紹介させて頂きたい、とても興味深いものがあります。
改札を出て、A2出口から外へ出ます。
右側に、駅の由来となった天空橋が架かっています。
ちゃんとそんな名前の橋があるんですね。
天空橋を渡らずに左側へ行くと大きな通りがあります。
川に沿って多摩川方面へ約5分程歩いていくと・・・
目の前に大きな鳥居が現れました。実はこの鳥居、元々は穴守稲荷神社の鳥居なのです。
通りを挟んで向かい側には羽田空港の駐車場があります。
かつて穴守稲荷神社はこの辺りにありました。
ところが太平洋戦争が終わってまもなく、GHQが羽田空港を軍事基地として拡張するため、
穴守稲荷神社とその周辺の住民は強制退去させられました。
退去後まもなく社殿や住居は跡形も無く取り壊され、この鳥居も同じ運命を辿るはずでした。
しかし撤去の工事を始めるたびに事故が発生し、
いつしかそれは「大鳥意の祟り」と恐れられるようになったのです。
はたしてこの伝説、本当なのでしょうか。
一説には公式な記録には事故の記載はないとも言われています。
ただ、かつてふるさとの町があった場所に、理不尽な要求に屈せず立つ続ける大鳥居を見て
かつての住民たちはどんなにか励まされたことでしょう。
そんな人々の気持ちとこの伝説は、きっと無関係では無いように思われます。
伝説が本当かどうか、実はそんなことはどうでもいいことなのかもしれません。
1999年、羽田空港の駐車場内にあったこの鳥居は
近隣住民の寄付等により、現在の場所に無事に移転されました。
鳥居の額内には「平和」の2文字が記載されています。
大鳥居は今日も、羽田空港を発着するたくさんの飛行機の
安全な航行を見守っています。
by staff K.